近くて遠い、遠くて近い「男と女」。
そんな「男性心理」「女性心理」を
夫婦カウンセラーの池尾昌紀・千里が、
それぞれの立場で語ります。
同じテーマを、男の立場、女の立場から、
夫婦でそれぞれのブログで書いていく連載です。
夫は、男ですし、
私は、女ですから、
その立場での思いを綴って、
「女心」がわからない男性へ
「男心」がわからない女性への
取り扱い説明書のようなものに
なれないかなと思っています。
お読みいただいているうちに、
そうそうと同性は、
共感していただけるかもしれませんし、
異性の思いに、怒りを感じたり、
「なんじゃそれ???」
と途方に暮れることもあるかもしれません。
しかし、そもそも男と女は、
人間という括りでは、同じグループですが、
考え方や感じ方は、別の星の生き物くらいに
思っておく方が、却って理解しやすいのでは
ないかと思います。
違うから、わからないから、
理解しようとしたり、
コミュニケーションを意識することが
大切になってくるんだと思います。
近くて遠い、遠くて近い「男と女」。
そんなこんなの池尾家ブログ連載です。
***
最近、ご結婚される方がいらしたり、
結婚式に参列させていただく機会が続いています。
人生の大切な節目に、立ち会わせていただけるのは、
嬉しいものですね。
さて、今回は、「結婚」に対する思いについて、
女性の視点から、まとめてみたいと思います。
***
「結婚」というと、私たち女性は、
温かい家庭を作りたいと思います。
すると、
美味しい食事を作ろう。
お部屋は、きれいにしよう。
まず、そう思います。
共働きであっても、
ここは、ちゃんとしようと思います。
そして、夫となんでも話し、
協力し、よい夫婦でありたいと思います。
やがて、こどもが生まれたら、
可愛い赤ちゃんを抱く私、
そして、微笑みながら見つめる夫、
そんな光景も浮かびます。
こどもに、きょうだいができて、
可愛いこどもたちと過ごす日々。
こつこつ貯金をして、
一軒家を購入し、
夫も昇格し、
車も、大きなワゴンに買い換えて。
賑やかで、幸せな家庭は、こんな感じでしょうか。
女性の「結婚」というのは、
温かくて、幸せな「家庭」を作ることであり、
そのために、家の中で、
私は、何をするべきかを中心に
理想の妻像、理想の母親像が、
出来上がっていくように思います。
「昭和」を生きてきた親を持つ、
私たちこどもは、
その生き方を見ています。
女性は、自分の「母親」を、
一番身近に見て育ちます。
家族のために、食事を作り、
買い物へ行き、健康を気遣い、
掃除や洗濯をして、
家族を送り出し、迎える。
喧嘩もするけれど、夫を立て、
毎日、がんばっている母親像。
それを、女性は、自分もするべきだと、
無意識に思っているようです。
そして、母親と同じようにすることが、
当然なのだとも思っているようです。
「良妻賢母」
私たちの母親が、こどもの頃に見て育った、
そのまた母親(祖母)の生き方。
祖母は、さらに、その母親の・・
私たち、女性の生き方は、
私たちだけのものではないようです。
何世代もの間に、
知らず受け継がれた生き方です。
身体と心に、深く刻まれたものである
といってもいいかもしれません。
女性の「結婚」には、
「家」や「一族」を守るといった
何世代も前の生き方の欠片(かけら)が、
今もある気がします。
結婚をして、
日常という生活が始まると、
夢と理想と現実が、
折り合いをつけていくことになります。
その先が、私たちの世代の、
未知の部分なのではないでしょうか。
どう折り合いをつけるかが、
よくわからない。
母は、それをやっていた。
やれない時は、どうしたらいいんだろう。
やれない私は、駄目なのではないか。
夫が、家事をすることで、
何かもやもやする。
わからないけれど、
イライラしたり、腹が立ったり。
そんな思いを、不思議に感じる方も
いらっしゃると思います。
夫と、それを乗り越える。
その選択肢が、今の時代にはあります。
「核家族」の多い現代。
夫婦がタッグを組んでいかなければ、
乗り越えられないことがたくさんあります。
ところが、女性の中にある「良妻賢母」には、
それが、どうも合わないのです。
夫は、立てるものであり、
何かをさせてはいけないような、
それは、すべて、
女性である私がするべきことだと、
そんな感覚があるようです。
すると、夫が、家事をすると助かるし、
家事分担は、いいアイディアだと思うのだけど、
妻として至らない私を、
感じてしまう瞬間でもあるのです。
私たちのこどもや、
そのこどもたちの世代になれば、
この感覚は、もっと変化してゆくでしょう。
女性と男性が、タッグを組んで幸せになる生き方。
私たちの親世代が経験したことのないやり方。
私たちも、見たことのない生き方。
「良妻賢母」が新しい形になる、
手探りな時代であるといえるかもしれません。
そのためには、現代の、私たち女性の
あまり自覚できないような深いところに
この昔ながらの、女性像である、
「良妻賢母」が、今もあると、
知っておくことが大切です。
夫の協力が、ちくりと痛む時、
それは、新しいやり方をしていいんだよという
サインだと思ってみてはいかがでしょうか。
ちくりと痛んでいるのは、
私のものというより、むしろ
おかあさんや、おばあちゃんの心。
女性の良さ、男性の良さ、を差し出し合い、
ふたりにとって、一番良いやり方、
それを、ふたりで模索しながら、
幸せになっていくこと。
それが、今の「結婚」には
大切なのだと思います。
男性にとっての「結婚」については、
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