＜第４話＞
しかし、そうだったんでしょうか。
私は、そんな申し訳なさ過ぎる事態が怖くて、それから、自分を守ること、傷つかないための準備に、あまりにも必死でした。そうならないために、「不安」や「寂しい」気持ちを笑顔で包み隠し、私は大丈夫だよと振る舞う、その不器用なやり方のせいで、自分を守っているはずだったのに、守るどころか、実は、私自身や、私の大切な人たちを、傷つけていたのではないかと思うのです。
本来、受け取るべき、大切な人から、差し出されていた愛や、応援を受け取るどころか、気が付くことすらできていなかったじゃないか、本当に大切な人たちを、大切にしていなかったのではないか。そう気が付いたのです。
もし私が、あの日の空港で、こんなふうに泣けていたら、
母や妹に「相談もせず、全部勝手に決めてしまって、ごめんなさい。」
彼に「離れるの、寂しくて哀しいよ。置いていってしまってごめんなさい。」
って、言っていたら。
母と妹、彼は、「おまえが勝手に決めたんじゃないか」なんて、私を責めたでしょうか。
いいえ、きっと口を揃えて、
「バカだな、大丈夫だよ。気を付けてがんばっておいで。元気に楽しんでおいで。」
弱気になった私を励まし、応援して、笑顔で背中を押し、送り出してくれたに違いありません。
そうして、私の中の「不安」や「寂しい」を受け止めてもらい、みんなからの愛や応援を受け取ることができていたら、私は、ロンドンの一室で、あんなふうに、一人ぼっちで泣くことはなかったのではないかと思うのです。
あんな泣き方は、哀しすぎます。
そして、こう思いました。
私は、ロンドンに到着して、寂しくて泣いていたのだとばかり思っていましたが、実は、みんなが差し出していた愛を、しかも本当は、一番欲しいものだったのに「いらない」と受け取らないことで、大切な人たちを大切にしなかったことが、哀しかったんだな。大切な人を傷つけてしまった。そして、そのことで、私も傷ついていたんだな、と。
これがわかるのに、私は、２１年も掛かってしまいました。
ここに集まってくださった「寂しいと言えない」みなさんには、是非、そんなに時間を掛けていただきたくありません。
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☆癒しの１DAYワークショップ（トレーナー：根本裕幸）
日時：9/29（日）10:00～20:00
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昼/その１ ～価値を見つけ、感じ、自己イメージを良くする時間～
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